2023年7月21日 (金)

荒川の佐吉

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「中村吉右衛門」のワードで、録画されていたものをやっと視聴。仁左衛門さんすごくよかった。浪人成川(中村歌六)に「強いものが勝つのではなく、勝ったものが強い」と言ったことで、その後の親分(市川段四郎)や自分の運命が大きく変わる。友人の辰五郎(市川染五郎)と、盲目の卯之吉を大事に育てる姿。親分の仇を討ち、縄張りを取り戻す姿、それを見守る相模屋政五郎(中村吉右衛門)。すべて恰好いい。

卯之吉を取り戻しに来た親に、最初はつれないが、政五郎親分に「将来を考えて」と説得され手放す決意をし、また縄張りも捨て旅に出る。私は任侠物って好きではないのだけれど、心情に思わず共感してしまった。

それにしても、子供が盲目なだけであっさり手放す姉。父親が養育費をもらって子供を引き取っただけで、ぷいっと家を出てしまう妹。冷たすぎじゃないですかね。


もう一つは、みち友さんからいただいた「俊寛」こちらは吉右衛門が主役。鬼界ヶ島に一人残る決心は自分でしたものの、実際に一人になった時の寂寥感、孤独感が胸に迫り、見終わった後に、はぁっと大きなため息。余韻が残る歌舞伎でした。

2023年6月26日 (月)

スウィーニー・トッド

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私はホラー映画が好きではありません。それなのに何故に「スウィーニー・トッド」なのか。

きっかけは松居一代さんが発表会で歌った「Not while I'm around」をYouTubeで視聴したことでした。上手、下手はともかく(はっきりいうとかなり下手)、この歌ってこんなメロディだった?という疑問で、YouTubeをいろいろ見ていたらバーブラ・ストライサンドさんの歌が最高でした。

で、映画でどんな場面で歌われるのか興味がありまして、アマゾンでレンタルしてまで視聴。映画はかなりスプラッタ。気持ち悪い。

ただ、楽曲がソンドハイムさんだけあって、全曲美しい。そのギャップが余計に怪奇さに拍車をかける。

「Not while I'm around」はパイ屋の小僧が女主人に「そばにいる限りは守ります」という愛の歌です。単にホラー映画を観た時と違って、余韻が残る映画でした。まぁ、2度は観たくはないですけどね。

 

2022年12月22日 (木)

LAW & ORDER

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アメリカの犯罪捜査ドラマが好きで、このL&Oも前から観ています。ジャック・マッコイが検事補だった頃からだから、相当前から観てると思う。このドラマは前半で犯人を逮捕するのですが、「えっ、これくらいの証拠で逮捕できるの?」という感じ。

裁判に重さを置いているのですが、検察と弁護人の駆け引きが見物です。そのやり取りを観ていると、アメリカ社会の矛盾や偏見が見えてきます。人種問題や貧富の差、LGBT問題など、結論を出すことが難しい問題が、1時間のドラマで解決するはずなく、時にはモヤッとしたまま終わるのも、このドラマの特徴です。

12年前にシーズン20で終了したのですが、シーズン21がスーパードラマチャンネルで始まりました。マッコイ役のサム・ウォーターストンは御年83だそうです。まだ、一話しか放映されていませんが、レイプ犯を起訴できなかったことで、たくさんの被害者を出してしまうことへの、やり切れなさが残った話でした。

 

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もう一つはWOWOWで始まった「FBI特別捜査班」シーズン4。これも面白いです
こういうドラマをみると、アメリカって華やかなだけでなく、暗黒な部分も多い国だなと、改めて思います。

2022年11月 9日 (水)

エリザベート inシェーンブルン宮殿

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(NHKテレビを写したものです)

昨夜の皆既月食、奇麗でしたね。赤い月が幻想的でした。
月食と惑星食が重なるのは442年ぶりとか。でも、信長には惑星食は見えなかったはず。
満月が段々と欠けていって、最後は赤くなる現象を、戦国時代の人たちはどんな思いで見ていたのでしょうか。

 

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WOWOWでエリザベートコンサートが放映されました。シェーンブルン宮殿の前の広場に、舞台をこしらえロケーションは最高。宝塚や東宝で何度も上映されているので、公演自体はよくわかっているのですが、宝塚より東宝に近い感じかな。

トートは、パプスブルク家を不幸に導く存在。フランツとの仲を悪くし、エリザベートの苦悩をじっと見つめていて、最後に自分のところに来るをじっと待つといった印象でした。
エリザベートはわがままというより、心許せる人がいない苦悩の人、フランツは結構マザコン、といった印象。
この公演、3年ぶりに開かれたそうで、皆さん熱演でした。

2022年11月 6日 (日)

パリは燃えているか

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これもNHKで放映されたものを、録画視聴。
ドイツに占領されたパリを解放するために、戦うレジスタンス。「連合国軍がパリを迂回する」という情報を得たレジスタンス側は、パリ進攻を訴えるためにガロア少佐を送る。

ヒトラーが出る始まり部分だけ、ドイツ語だけど、あとは英語。ドイツ将校さえも英語を話すことに、少々違和感を感じたけれど、概ねおもしろく観られました。歴史物だから、ヒトラーの「パリ焦土作戦」は失敗に終わったことはわかっているけれど、それまでの過程が興味深かった。オールキャストの豪華な俳優陣だけれど、多くは顔見世程度。主役の一人はガロア少佐かな。パリを抜け出して、連合国軍をパリに向かわせる説得力。

そして、もう一人の主役はドイツのコルティッツ将軍。もともと「パリを燃やし尽くせ」という命令に懐疑的だったと思うのですよ。親衛隊が来たと聞いた時の緊迫感はこの映画の一つの見どころだと思います。死を覚悟して、ピストルまで用意したのに、用事は「ルーブル美術館のタペストリー(だったかな)が欲しい」。将軍にしたら「何というばかなことを」ですよね。燃やす前に欲しいものは手に入れたいと本音を聞いて、異常さに気がつく瞬間。結局、この将軍「パリを救った人」として名を残すことになるから、人生わからないものです。

この映画、戦後20年くらいで作られたもので、時々挟まれる実際のニュース映像が興味深かった。この映画を観た感想は「人間、何十年たっても進歩していない」今、ウクライナで起こっていることと、何の変りもない。ヒトラーの最後は周知の事実なんですが。

古典芸能への誘い

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NHKで放映した「秀山祭 吉右衛門追善公演」を録画視聴。秀山祭は、吉右衛門さんが芸の継承のために毎年開いていた公演だそうです。「松浦の太鼓」の松浦候は吉右衛門さんの当たり役だったそうで、今年はお兄さんの松本白鸚さんが演じました。
とても分かりやすい演目で、吉良邸の隣に住む松浦候は、いつまでたっても仇討ちをしない赤穂の浪人に腹を立てて、とても不機嫌。それが隣から陣太鼓が聞こえたとたんに、態度一変。この変化が一番の見どころで、松浦候の純な性格がよくわかる。

「揚羽蝶繍姿」は吉右衛門さんの当たり役をオムニバス形式にしたもの。中でも興味深かったものが「熊谷陣屋」熊谷直実が敦盛を討った様子を松本幸四郎が熱演。

最後には吉右衛門さんの在りし日の映像が流れ、一度は観ておくべきだったなと、今更思っても仕方ないことですね。

2022年10月18日 (火)

警視庁考察一課

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月曜日夜11時から、テレビ東京で17日から始まりました。結構ツボかも。
サスペンスで活躍の俳優勢ぞろい。俳優を毎週集めるのも大変じゃないの思っていたら、こういう設定もありだなと。内藤剛志は京都に長期出張中。全員揃わなくてもいい設定。

船越英一郎は、崖のかわりに脚立に登って考察。「女はこりごり」のセリフも実感あり。名取裕子は「私の感!」だし、山村紅葉は途中で小説を書き始めるし、他局のネタをパロディして、笑っちゃう。一部屋で考察しちゃうから、低予算でOK。考察が矛盾すると「犯人はサイコパス」で逃げようとする。そんなクセ強い俳優の中に入った新人君が藤井流星君。可愛い。

いかにも秋元康らしく、テレ東京らしい面白いドラマが始まった。「くだらない」と思った時が見納めかもと思いながら、一話目はパロディ探しに明け暮れた。

2022年3月19日 (土)

ひまわり

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映画「ひまわり」をアマゾンのプライムビデオで観ました。ずいぶん前に観たのだけれど、ひまわり畑しか覚えていないので。
ジョバンナ(ソフィア・ローレン)とアントニオ(マルチェロ・マストロヤンニ)は戦争に行くことを少しでも遅らせようと、冗談半分のように結婚します。さらに、遅らせようと精神錯乱の演技をしたことが悪く、ロシア戦線に送られることに。

戦争が終わっても帰ってこないアントニオを探すジョバンナはソ連に行きます。そこで見た一面のひまわりは息をのむほど美しい。けれど、この下に埋まっているイタリア兵やロシアの捕虜、農民の数を思ったら、背筋が寒くなる。結局、アントニオと再会したけれど…、といった話。

ヘンリー・マンシーニの音楽が効果的で、名作と言われるのでしょうが、今ウクライナで起こっている現実は、映画よりもっと悲惨で、最後まで映画に集中できませんでした。マルチェロ・マストロヤンニ、格好良くて好きな俳優さんでした。題名は忘れたけれど、コメディの演技が秀逸。亡くなってもう20年以上たつのですね。

2021年12月 2日 (木)

訃報

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吉右衛門さんが亡くなったと書くべきなんでしょうが、私は歌舞伎とは無縁なので、私にとっては、鬼平さんが亡くなった、です。
とにかく「鬼平犯科帳」が好き。池波正太郎さんの本もすべて持っているし、テレビを録画したのも、ほぼそろっている。他の方の鬼平さんも時代劇チャンネルで観たけれど、私には、鬼平さんは吉右衛門さん以外にはありません。

シリーズが終わって、時々スペシャルが放映される度に、楽しみにしていました。5年ほど前に「THE FINAL」で二日続けて放映されたけれど、これで終りと思うと観ることが出来ずに、録画をしたままです。

ここ数ヶ月、体調不良で舞台降板が続いていたので、心配していた矢先の訃報でした。
たくさんの格好いい鬼平さんを、ありがとうございました。

2021年11月17日 (水)

八重の桜

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NHKオンデマンドで「八重の桜」を観だしたのが、11月初め。11月中に観終わるかな。まぁ、終わらなくても12月また契約すればいいし、なんて考えていたら、なんと昨日50話、観終わってしまった。(^^♪


初めはパソコンで観ていたんです。(アマゾンのプライムビデオ経由だから)でも、これだと椅子に座って観なきゃいけない。寝っ転がって観ようと、タブレット視聴していたら、気分悪くなってしまって、立ち上がると眩暈がする。「これはまずい」とパソコンとテレビを繋ぐ方法で、テレビ視聴。ここら辺から夫も視聴。「もう1話」なんて続けていたら、あっという間に会津戦争になり、西南戦争になり…。

大河ドラマ、観なくなってずいぶん経つけれど、どれも時々は観ている。けれど、「八重の桜」は1話も観ていないので、新鮮でした。丁寧に作られたドラマという感じだし、主演の綾瀬はるかさんの熱演が目立ちました。知りたかったエピソードも大体含まれていました。
面倒くさいのは、旦那の注釈が時々挟まれること。山口出身の夫は長州が悪者になるのが、我慢できないらしい。「ちょっと、黙っててくれない。切るよ」(これは脅しです。夫はパソコン音痴なので、視聴方法がわからない)

捨松が結婚を決める時、八重と大山が腕相撲で決めようという話。
「ほんとのことか」「フィクションに決まっているでしょう。ほんとは西郷従道が山川家に日参したらしいし、何より捨松が大山のこと、好きになったみたいだし」うちの夫婦の会話にも、「八重の桜」は役立ってくれました。

オンデマンドは11月に切るつもりだけど、あと10日あまり、何か観るものあるか探してみよう。

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