荒川の佐吉
「中村吉右衛門」のワードで、録画されていたものをやっと視聴。仁左衛門さんすごくよかった。浪人成川(中村歌六)に「強いものが勝つのではなく、勝ったものが強い」と言ったことで、その後の親分(市川段四郎)や自分の運命が大きく変わる。友人の辰五郎(市川染五郎)と、盲目の卯之吉を大事に育てる姿。親分の仇を討ち、縄張りを取り戻す姿、それを見守る相模屋政五郎(中村吉右衛門)。すべて恰好いい。
卯之吉を取り戻しに来た親に、最初はつれないが、政五郎親分に「将来を考えて」と説得され手放す決意をし、また縄張りも捨て旅に出る。私は任侠物って好きではないのだけれど、心情に思わず共感してしまった。
それにしても、子供が盲目なだけであっさり手放す姉。父親が養育費をもらって子供を引き取っただけで、ぷいっと家を出てしまう妹。冷たすぎじゃないですかね。
もう一つは、みち友さんからいただいた「俊寛」こちらは吉右衛門が主役。鬼界ヶ島に一人残る決心は自分でしたものの、実際に一人になった時の寂寥感、孤独感が胸に迫り、見終わった後に、はぁっと大きなため息。余韻が残る歌舞伎でした。