殿様は「明治」をどう生きたか
私、こういう後日談が好きなんですよ。戊辰戦争で勝者も、敗者も、廃藩置県で領地没収・家臣いなくなりで、殿様はどうしていたんだろうと前から興味ありました。
松平容保が日光東照宮の宮司になったのは知っていたのですが、あとは「へぇ」とか「ふーん」ばかり。おもしろかったです。一番異色だと思ったのは、上総国請西藩主(今の木更津あたり)林忠崇。困窮のあまり農業したり、役人になったり、商人になったり。どうも、お仕事長続きしない方のようです。このお殿様、昭和まで生きて「最後の大名」として取材を受けたりしています。他にも、明治政府で手腕を発揮したお殿様。個人の能力で、いかようにも力は発揮できる。2巻まであります。
この本には載っていませんが、個人的に興味あるのが、会津藩の家老山川浩。斗南藩に国替えになった後、生活は困窮を極め、おからを手に入れただけで、藩士から責められる生活だったようです。兄弟を里子に出したり苦労したようです。
西南戦争で功をたて、最終的には陸軍少将になり貴族院議員になります。この山川家はみな優秀だったようで、弟の健次郎は東京帝国大学の総長になり、里子に出された捨松は官費でアメリカ留学し、後に大山巌と結婚します。この結婚は兄の浩は「薩摩人との結婚許さん」と反対だったようですが。ドラマにもなりそうな山川家。だれか、小説にしてくれないかな。(山川浩の小説はいくつかありますが)
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