昨日、退院しました。致死率3分の1、直っても障害が残ることが多いこの病気、今度の入院はいろいろと幸いが重なりました。
一つは、それほど症状が重くなかったこと。最後まで意識ははっきりしていました。この子の晩御飯を考える余裕ありましたし。
一つは夫がいてくれたこと。私一人なら、救急車を呼ぶべきかどうか、一晩寝たら直るんじゃないかと躊躇していたと思いますが、夫は普通じゃないと即呼んでくれました。
一つはその時の当直が脳外科の部長先生だったこと。私が受けたのは開頭手術ではなく、足の鼠径部からカテーテルを入れて、プラチナで栓をするコイル塞栓術というもの。
くも膜下出血は脳の血管が細くなって、脳梗塞を起こす危険性があるとのことで、2週間ほどは点滴をいっぱいつけられて、「とにかく水分とって」と言われ、動けもしないのに、お茶を2リットルくらいくらい飲んでいました。もう最後は「お茶」という文字を、見る度にいやになって、「ジュースとかだめ?」とわがままを言うことに。
娘が「孫とみっちゃんが助けてくれたんだよ。ほら、みっちゃんのカレンダー」と持ってきてくれたので、SCUでは「宝塚の人」で有名に。
「宝塚好きな人って、上品ですよね」
「いや、タカラジェンヌさんは上品かもしれないけれど、観る方は関係ないんじゃない」
などと会話できるほど回復した後は、一般病棟に移りました。
リハビリも病棟を歩き回る運動や、簡単な計算をしたり、記憶力を確かめる頭の運動と。両方とも問題はなく、めでたく退院。しばらくは、通院は必要ですが。
先生からは「車の運転はしばらくしないように」と言われただけで、「宝塚?いいですよ」と言われたけれど、夫と娘の監視が厳しくて、当分は「ダメ」と言われてしまいました。まぁ、たくさん迷惑かけたし、従うより他なく。気持ちはわかるが、背後霊のように付きまとわれるのも結構ストレスなんですが。
病院ではすることなく、タブレットでパジャマゲームの公開練習をチェックしたりしていたのですが、ちょっと物の見方が変わったなと思ったのは、みっちゃんが女性になったり、風ちゃんの前ではお兄さん風になったりするのを「どちらもみっちゃん」として見られるようになったことです。お稽古着に何をきていたかなんて、どうでもよくなった。新納さんに「シド命」のクッキー焼いてくるなんて、(最初は216という意味がわからなかった)みっちゃんらしいですね。
お稽古しているときの、いきいきとしたみっちゃんやっぱり好きです。
昨日2週間ぶりに作った夕食。病室のテレビで「目黒のさんま祭り」をやっていて退院したら、絶対さんまを食べると思っていたけれど、病院食のあっさりになれた体にはちょっと重かった。