王家に捧ぐ歌
この演目、新生宙組にぴったりですね。
ラダメス(朝夏まなと)が「戦いは平和を得るため」と言うと、アイーダ(実咲凛音)が「戦いは新たな戦いを生むだけ」と言う。心情的にはアイーダの言うことが正しいと思うけれど、ラダメスのぶれない心、アイーダに対する一途な愛、その性格が朝夏さんにぴったり。歌も上手だし、恰好よかったです。あの大きな目で「アイーダ、アイーダ」と迫られたら、そりゃ誰だって秘めた思いなんてどこかに行っちゃうって。
みりおんさんは今はエジプトの囚人だけれど、エチオピアの王女としての品もあり、ラダメスに惹かれながらも自分の立場をわきまえ必死に耐えてる様子、すごくよかった。
アイーダがもしそれほど先を読めない女だったら?ラダメスは、きっとファラオ(箙かおる)に結婚の許しを乞うでしょう。アムネリス(怜美うらら)がそれを許すわけないけれど、好きな男だもの、国外追放くらいで収まったかも。そしたら、最初の希望とおり誰も知らないところで二人ひっそりと暮らせたかもね。あっ、でもアイーダは殺されちゃうわね、きっと。やっぱり悲劇でしかないか。
うららちゃんはお歌が今一歩という感じでしたが、お芝居は上手です。父のファラオがウバルド(真風涼帆)に殺された後、悲しみを抑えて「私が今日からファラオです」といいきるところ、ラダメスに死刑を言い渡し、ラダメスが地下に沈んでいくときの耐える演技、すごくよかったです。
真風さんは宙組にきたばかりと思えないくらい目立っていました。ウバルドになりきっていました。アモナスロ役の一樹千尋さん、箙さんお二人の専科さんもお芝居ひきしめていたし、なにより宙組の団結力を感じました。「エジプトは強い、エジプトはすごい」「光ってやがる、輝いてやがる」コーラス力もピカ一だったし、端のみんなまで全力で取り組んでいるのがよくわかりました。
兵庫県まで行ってよかったです。
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