深川澪通り木戸番小屋
ずいぶん前なんだけれど、NHKで「とおりゃんせ」という時代劇をやっていた。木戸番小屋の夫婦(神田正樹と池上季実子)の周りで起こる人間模様といった話だった。池上季実子演じるお捨がよく笑う、ほんとに仲のよい夫婦だけれど、この夫婦は過去にとても辛い経験をしているから、人にあんなに優しく出来るんだろうなと思いながら見ていた記憶がある。
その「とおりゃんせ」の原作が、北原亞以子さんの「深川澪通り木戸番小屋」。北原亞以子さんの本は、登場人物がみんなそれぞれ悲しみをかかえていながらこそ、日々の幸せを喜ぶといった、陰と陽の部分のバランスがとてもいい。だれしも持っている人の善と悪・明と暗、その葛藤のなかで日々暮らしている人間がとても愛しい。
今放送している「慶次郎縁側日記」もこの人の作品。慶次郎縁側日記を見ながら、ふと「とおりゃんせ」が懐かしくなって「深川澪通り木戸番小屋」を出してみました。
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